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はちみつの殺菌消毒性ってどういうこと?

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はちみつには有機酸が多数含まれており、その殺菌作用によって腐らないのだ、
という話しが前回のコラムでありました。

しかし、なんだかピンとこない「グルコン酸」と「グルコースオキシターゼ」の話。
もやもや。

というわけで、今回は殺菌消毒性について少し掘り下げてみようと思います。

はちみつが腐らない理由

まずは前回のおさらい、

①はちみつは糖度が非常に高いため、細菌がはちみつに入り込むと、浸透圧の作用で細菌の体内から水分が奪われてしまい生きていけない。
②有機酸(その70%はグルコン酸)というものがはちみつに含まれており、はちみつは弱酸性の世界。細菌にとって、弱酸性では生息し辛いらしい。
③はちみつには「グルコースオキシターゼ」という酵素が含まれている。この酵素が空気中の酸素と結合し、強い殺菌性を持つ過酸化水素を作り出す。

なるほど。腐敗菌が寄り付きにくい要素がいろいろあって、これらが複合的に作用し高い保存性が保たれている。なんとなく分かる気がします。

うーむ、でも、グルコン酸とか、グルコースオキシターゼとか、どうも関係性が分かりづらいぞ。

登場人物を整理してみる

グルコース(ブドウ糖):はちみつに含まれている。
グルコースオキシターゼ:酵素。みつばちの唾液中に含まれている。熱や光に弱い。
グルコン酸:はちみつに含まれている有機酸のうち、70%はグルコン酸。
過酸化水素:高い殺菌消毒性を持つ。

どうやら、殺菌消毒性を理解する上で主なものは、これら。
いろいろ読んでいると、微妙に説明が絡まっているものもあるものの、こういう感じ。

脇役としては、
インベルターゼ:転化酵素。花蜜=ショ糖をブドウ糖(グルコース)と果糖に分解する。花の蜜を蜂蜜らしくしている影の立役者。

高い殺菌消毒性を持つものは何?

はちみつのどこに殺菌消毒性があるのか。
端的に言えば、高い糖度と、グルコン酸、そして過酸化水素にある。
高い糖度は浸透圧の働きで細菌の生息を難しくする。
グルコン酸は、はちみつを弱酸性にすることで細菌の発生を抑制する。
過酸化水素、聞きなれない言葉だが、消毒液のオキシドールなら聞き覚えのある人も多いのでは。

では、それらはいつ、どうやってはちみつに登場するのでしょう?
(糖度は言うまでもないとして、グルコン酸と過酸化水素は一体…)

酵素はどこに?

蜂蜜に含まれている酵素。
そもそもはみつばちの唾液中に含まれています。
蜂蜜は、みつばちが花の蜜を吸い、蜜胃に溜めて巣まで持ち帰り、貯蔵係のみつばちに口移しで渡していく、バケツリレーのような方法で巣に貯蔵されます。
その際、みつばちの唾液と混ざり合い、酵素が蜂蜜中に含まれていくわけです。

グルコン酸ってどんな酸?

はちみつに含まれているブドウ糖(グルコース)に、みつばちの酵素(グルコースオキシターゼ)が反応し生成される有機化合物、これがグルコン酸だそう。
グルコン酸は、はちみつに多く含まれている。
そのため、はちみつ酸とも呼ばれることもあるのだとか。
(みつばちの酵素と反応せずに生成される場合は、どこでどんな時に生成されるものなんだろう?)

しかも、なんとビフィズス菌を増やす作用がある唯一の有機酸なんだとか。
ビフィズス菌が増えると、整腸作用や花粉症予防・改善など、様々な効果が期待できるようです。

高い殺菌消毒性を持つ過酸化水素

そして、グルコン酸が作られる際に発生するのが過酸化水素。
活性酸素の一種で、強い酸化力によって細菌を死滅させるそうな。
消毒液のオキシドールは、過酸化水素です。
しかし、ここでちょっと不安になるのは、そんなものを体内に入れていいのか、ということ。
調べてみると、体内では赤血球や組織中に存在する酵素(カタラーゼ)の働きで反応をとめるため、心配はいらないようです。

「殺菌消毒性」というけれどボツリヌス菌は?

はちみつといえば、決まって書かれているのが、1歳未満の子どもには食べさせないようにという表示。これは、はちみつにボツリヌス菌の芽胞が含まれていることがあるため。
1歳未満の赤ちゃんは消化器官が未熟で、腸内環境も整っていないため、芽胞の状態でも腸内で発育し増殖、中毒症状を起こす可能性があるのです。

しかし、殺菌性の高いはちみつに、なぜボツリヌス菌は生息できるのか。
それは芽胞の状態だから。芽胞の状態では耐久性が高く、種のように眠っている状態。
ここに、条件が整えば、活動を始め、毒素を作り出すようになります。例えば、はちみつを食べて、体内に取り込まれると、唾液やその他の食品などではちみつが薄められ、ボツリヌス菌は活動しやすくなるわけですね。

まとめ

人間も、お米を噛んでるいると、唾液中に含まれる酵素の力で、でんぷんが分解されて糖になっていくもの。
それと同じようなことが、はちみつができる過程でいろいろ起こっているわけですね。
転化酵素(インベルターゼ)が、花の蜜(ショ糖=多糖類)をブドウ糖と果糖に分解する。ここで、花の蜜ははちみつへと一段階、変わっていくわけですね。
そして、グルコースオキシターゼがブドウ糖を分解してグルコン酸を作り出す。その際に過酸化水素が発生する。有機酸ができることで、はちみつの風味と、保存性が高まる。
ということは、これらの分解が進む前に採蜜してしまうと、糖度は高くても糖の種類が違ったり、保存性が異なったりしてくるのだろうか。

今回のコラムでは、
幾分かはちみつの殺菌消毒性のことが分かってきたような気がします。
いかがだったでしょうか。
ちょっと分かってくると、新たな謎が出てきて、あれやこれやと気になってきてしまう。
またいつか、このあたりのことを整理してみたいなと思います。

酵素たちの働き

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