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みつばち社会~女王蜂⑤女王不在の無王群〜

投稿日:2017年7月26日 更新日:

女王蜂シリーズもなんと今回で5回目。
今回は無王群についてのお話です。

無王群とは

これまで、何度も出てきているように、1つの群れには、女王蜂が1匹だけ。
群れの中は、あとは、たくさんの働き蜂と全体の1割程度の雄蜂で構成されています。

ただ、何らかの理由で、そのたった1匹しかいない女王蜂がいなくなってしまった群れを、その名のとおり無王群と言います。

いつ、女王はいなくなるの・・・?

前回のコラムで書いたように、女王蜂は、生きている間はほぼ巣の中で、群れの反映のために卵を産み続けます。

では、どの段階でいなくなってしまうことがあるのか??

これまでのコラムの中で、女王蜂が生まれてから行動を思い返してみてください。

女王が外に出ていくタイミングを。

 

 

そう、新しく生まれてきた女王が交尾のために空へ出かけたときなのです。
(他にもいなくなるタイミングがあるかもしれませんが、調べた限りはこのタイミングがほぼ要因)

新しい女王蜂が羽化して約1週間。お付きの働き蜂(20匹程度)に護衛された女王は交尾のため、生まれて初めて空に飛び立ちます。(詳しくはこちらに書いています。)

そして、実は、その空は危険な場所でもあるのです。

これを人間に例えると、箱入りで育ってきたお嬢様がお付きの人を20人引き連れて初めてまちに行って、お目当ての男性を探しに行っているっていう感じですね。しかし、お付きの人がボディーガードの役割ではなくて、何かあっても見ているだけであり、そして、弱っちいのです。こんんかなんじで、そりゃ、危険ですよね。

交尾のための雄蜂たちがいるところに向かっているのですが、危険な空では、突然、鳥に襲われて、食べられてしまい命を失うことも…。他にも何らかの外的要因があって女王が死んでしまうことがあるそうです。

蜜蜂と鳥

きっとこんなイメージ

 

女王がいなくなるということは。

交尾飛行で3日程度で巣箱に帰ってくるはずの女王が帰ってこない。群れの中では大問題。群れの存続危機なのです!!

分蜂直後の群れは、巣の中に卵もありません。もし、巣の中に卵があれば、女王蜂が返ってこないことを知った働き蜂たちが変成王台を作って、これから生まれてくるだろう幼虫にローヤルゼリーを与えて、新しい女王蜂に仕立て上げることもできるのですが、そういうことも難しいのです。(ちなみに無王群になると、セイヨウミツバチはこのような変成王台を作るのですが、日本みつばちは変成王台ができにくいそうです。)

そして、4~5日すると、雌である働き蜂たちが産卵を始めるのです。

通常であれば、女王蜂のフェロモンで産卵を抑制されているのですが、女王蜂がいないため、そのフェロモンの効果がなくります。そうすると、働き蜂が産卵できる体になり、群れの存続のため、産卵をするのです。(女王のフェロモンについてのコラムはこちら

そして、なんと、いつも参考にしている文献によると、産卵する働き蜂は腹部にある黄色のバンドが消失して黒く光るようになるそうです。見た目まで変わってしまうなんて…。

働き蜂が産む卵

通常、女王蜂は、巣房のなかに、卵を1つ1つ産みつけるのに対して、働き蜂が産卵した場合は、巣房の中に数個から数十個の卵を産み付けるそうです。

巣房

 

そして、何より、働き蜂は交尾していないため、無精卵しか産むことができないのです。
無精卵からは雄蜂しか生まれません。

ということは、巣房には1個ではなく、たくさんの卵なので、そこから、小さな雄蜂が羽化するのです。

 

群れの中では、小さな雄蜂が増えるが、働き蜂たちが増えずに減っていく一方。

それでも、雄蜂は特に何もしない。働き蜂は働くけども、個体数は減っていく。

そこからはご想像できるかと思いますが、最終的には消滅するしかないのです。

悲しいかな、女王がいなくなった群れは自然の中では生きていけないのです。

(私は詳しくは知らないのですが、セイヨウミツバチの場合は対策などがあるそうです。)

今回のまとめ

女王不在の無王群について書きました。

無王群になる要因はほかにもあるようですが、様々な書籍やネットの情報を調べてみた結果、鳥に食べられる以外の要因については、詳しくは書かれていませんでした。きっと春の時期なので、スズメバチもそんなにいないし、蜘蛛の巣あまりないし、ほかにはどういう要因なのかな~って考えてみましたが、まだまだ勉強不足で私にはよくわかりませんでした。

あとは、人間世界に例えてみてみるのも面白いですね。
無王群の最期については、男は増えても何もしないので、男だけでは生きられない…。そんな社会なのです。

参考文献
吉田忠晴、2000、『ニホンミツバチの飼育法と生態』、玉川大学出版部
丸野内棣訳、2010、『ミツバチの世界 個を超えた驚きの行動を解く』、丸善出版

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