淡路島で日本みつばちから広がる可能性を見つけながら

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春の蜜源

投稿日:2017年5月17日 更新日:

季節ごとに味も香りも異なる日本みつばちの蜂蜜。

巣から半径1〜2㎞を飛び回り、
その季節に咲いている野山の花から蜜を集めてくるからこその味わいと見た目が、心にも美味しい。
特に春の蜜は、集められてきたばかりのフレッシュで尖った花の香りと、透き通るような柔らかさの蜜の色合いが特徴的。
そんな蜂蜜の話をしていると、よく「何のお花の蜜ですか?」と聞かれる。

島の野山の季節のお花です、と答えているけれど
そう、季節ごとにいろいろなお花が咲いているんです。
ということで、今回は春から初夏の野山の花々を紹介します。

巣箱の周辺にある花々

①シロツメクサ

シロツメクサ
マメ科/シャジクソウ属

②野アザミ

群生するアザミたち。キク科/アザミ属

③イタドリ

イタドリ。これも実は白く可憐な花がたくさんついて、蜜源となるそうな。撮影時はまだ花はついておらず。

ポキリと折って、皮をむいて食べてみる。久しぶりの酸味が口に広がる。昔はよく食べたりしたわ、とユキオ父も楽しそう。

(ただしイタドリは初夏に生えるものの、花が咲くのは秋。
 というわけで、秋の蜜源植物。:2017年5月31日追記。
 宮岡さん、教えてくれてありがとうございます。)

④野いちご

野いちごの群れ。白い花が咲いていた気がするけれど、撮り忘れ。

甘酸っぱい、鼻を抜ける爽やかな甘み。

⑤アカバナユウゲショウ

アカバナユウゲショウ、という名前の花。もともとはアメリカ原産で、明治時代に観賞用として日本に持ち込まれ、現在は野生化。道端や空き地など、あちこちで見られるそうな。

⑥白い花いろいろ(名前を探してみるも、多すぎて特定できず)

⑦なんだろう

ちいさな青い花をたくさんつけている

 

⑧ノビル

この強そうなのは…ノビル!玉ねぎの花に似ている。この辺りではあちこちに群生している。もっと早い時期に抜いて、ネギやらっきょのように使うと美味しい。

⑨桜

桜

⑩梅

梅とみつばち

11.ビワ

野生化していたりもするビワ

いろいろな花から蜜を集める日本みつばち

アカシアやレンゲ、サクラなど、単一の花の蜜を集めてくる傾向が強いのが西洋ミツバチ。
一方、日本みつばちは、いろいろな花から蜜を集めてくる性質がある。
ミツバチは蜜源を見つけると、巣に戻り、いかに素晴らしい蜜源であったかを「8の字ダンス(尻振りダンス)」によって仲間に伝える。西洋ミツバチはそれに従う者が多いものの、日本みつばちは従う者がどうも少ないのか、それぞれ花を探して飛び立つ傾向にあるらしい。そのため、日本みつばちの蜜は、巣の半径1〜2㎞の地域に咲く花々の蜜が合わさったものであり、香りも味わいも地域によって、群れによって異なってくるのが楽しい。

(菅原、2005)

蜂にも味の好みがあるらしい

訪れる花の種類が西洋ミツバチと日本みつばちで異なるという。
兵庫農大(現在の神戸大学農学部)の宮本教授の研究によると、日本みつばちは西洋ミツバチと比べて、野生の草木や、山地に見られる植物を好む傾向にあると報告されている(宮本、1958)。

(菅原、2005)

 

ということで、ここまで。

山は本当に楽しい。季節ごとにいろいろな植物が顔を出しているし、山菜や食べられる野草も(そんなに知らないけれど)あちこちに生えている。
山によって、ここで紹介した植物が生えていないところもあるし、
ここで紹介していない植物があるところもある。
季節ごとに、咲く花は本当にいろいろ。
そんないろいろ雑多に生えている様子を見ていると、生態系が豊かに守られているのかな、なんてちょっと安心したり。
みつばちの立場から見ても、年間を通じて様々な花が咲くことは重要。どんなにたくさん咲いても、一年の一部の時期だけに咲くのでは生きていけない。特に秋にしっかり貯蜜できるかが、冬を越えられるかどうかの分かれ道。
そうやって見てみると、このまちの環境はみつばちにもいいんだろうなぁ、なんて想像する。
淡路島は「花とミルクとオレンジの島」なんていうキャッチコピーも持っていたんだそう。温暖で、花も柑橘もこのまちでは育ちやすい。
酪農もしていて、その堆肥を使って循環する農業がされてきた島なんだって。
時代の流れとともに、島も変わってきたのかもしれないけれど、やっぱり温暖で、花が豊富なのは変わりないのかもしれない。
そうだといいな。
さて、春の蜜源はここまで。
今後は、夏や秋もその時々で野山に生えている花々を紹介していければと思っています。

参考文献
・菅原道夫、2005、『ミツバチ学』、東海大学出版会
・宮本セツ、1958、本産花蜂の生態学的研究 (X) : 日本および西洋蜜蜂間における花との関係の相違、兵庫農科大学研究報告農業生物学編 http://www.lib.kobe-u.ac.jp/repository/81006103.pdf

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