蜂球のなか。

実は、昨日の午前中も分蜂群を目の当たりにしまして。
蜂の数と勢いに圧倒されました。
そんなこんなで、今回も分蜂について書いていきます。

前回のブログでは、分蜂した群れが、巣箱に入っていく状態であったのですが、今回は、分蜂した直後で、蜂球を作るときの様子です。

 

分蜂の直前

朝から巣のまわりでは、たくさんの働き蜂やオスバチがブーンブーンと巣の近くを行き来しています。

(その時の写真は撮り忘れ)

 

この分蜂の予行練習を何度か繰り返えすそうで。
待っている方は、ドキドキしながら、「いつでるのまだ?」って感じで見守ります。

いよいよ飛び立つ

そこから、数分後。

みんなが一斉に空に飛び立って行きます。

(この瞬間を見逃してしまいまして…。あと10分、その場に残っていれば見れたのに…。耐えられず、農作業に行きまして…。残念。)

そして、空が

帰ってきたら、空がとても賑やかに。

上空は、たくさんのみつばちたち。

分蜂した空

これすべて蜂です

ぐるぐると遠くに行くわけではなく、近くを旋回しています。

 

近くの木の枝に

しばらくしたら、近くにあった木の枝に蜂たちが集まってきました。

きっと、ここに女王蜂が止まったのでしょう。

女王蜂が止まったところに働き蜂たちが集まってきて、球を作ってきます。

分蜂した空

 

動画はこちら

 

蜂球

そして、数分で、どんどん分蜂した群れが集まってきて、球がどんどん大きくなってきました。ある程度集まるとみつばちたちも落ち着いてきてきました。

 

分蜂蜂球

 

近づいても、はちたちは何もしてきません。
気にも留めてくれません。

 

やってみたかったこと

近くに低めの木に蜂球ができまして、こんなチャンスはめったにない。

分蜂した木

 

ということで、一度はやってみたかったことを。

蜂球の中に、指をいれてみたいということ。

(前回も少し書きましたが、)
分蜂をしたときのみつばちたち、いつ新居が決まるかわからないということもあり、お腹ににたくさんの蜜を抱えています。そのため、よほどのことがない限り、刺されることはありません。

ドキドキしながら、いざ!!

分蜂 触る

暖かい!!
そして、蜂たちがブルブルとした振動が伝わってきます。

ついてきた蜂たち

ぶら下がって、なかなか離れない。おとなしくかわいいみつばちたち。

ゆっくりと元の場所に戻してあげます。

ドキドキしましたが、何事もなく。

分蜂 触る

ようこも指を入れまして。
うちの猫を触っているみたいという感想で。

 

ということで、

今日は分蜂をより近くで体験。

みつばちたちは人間のことはあまり気にも留めずという感じでしょうかね。

ただ、今回は無事でしたが、必ずしも安全とはいません。
私事ではありますが、この後、いろいろありましてみつばちさんに下唇を刺されました。
今は唇がパンパンです。

試すときは、くれぐれもご注意下さい。

ちなみに、元々いた巣から離れて分蜂についていった働き蜂が、元の巣箱に戻ろうとすると、元の巣の入り口で門番のみつばちたちに殺されてしまうそうです。

「もうあいつらは出ていったから、別の群れだ!!やっちまえー!!」
みたいな。

そういう現場も何度か目の当たりにしております。

直前まで、一緒に暮らしていた仲間なんだから、入れてあげてもいいのにねー。
というか、どうやって見分けているんだろうって思います。

分蜂群がそのまま巣箱に!

分蜂シーズンも終盤になってきました。

毎日、いろんな山を行ったり来たりというのもひと段落。

そんななか、先日、
分蜂群が巣箱に入っていく瞬間に立ち会うことができました。

最初、山に見回りに行ったとき、
置いている空の巣箱のまわりには、いつもより多めの偵察隊のみつばちたち。
行ったり来たりで、巣箱の中をみていました。

 

そして、しばらくしたら、
突然、偵察のみつばちたちが全くいなくなってしまったのです。

偵察だけして、別のところに行ったのかな?とか
ちょっとがっかりしつつも。

 

その後、しばらく様子を見ていると。

上空から「ブーン」「ブーン」という大きな音が。

ふと、空を見上げると、たくさんのみつばち

そのまま数分で、みつばちたちの群れは巣箱に吸い込まれていきました。

 

 

初めて分蜂した群れが巣に入っていく瞬間をこの目で見ることができました。

私たち2人は「すげー」としか言葉が出なかったです。

分蜂!!それは「巣別れ」ともいいます。  

初春~初夏にかけて、巣箱の中から女王蜂と約半数の働き蜂が新しい住処を求めて出ていくことがあります。このことを「巣別れ」「分蜂(分封)」と言います。

一体何が起きているのか?

巣の中では、みつばちたちが子孫反映のために、春になると巣箱の中では新しい女王蜂を迎えるための準備が始まり、王台と呼ばれる女王蜂専用の特別な巣房が作られていきます。
(このなかで、女王蜂の幼虫は栄養価の高いローヤルゼリーを与えられて育てられます。)

日本みつばち 王台

他の六角形の巣房と比べて、明らかに大きい。

 

王台の数は、群れの規模によっても変わるようですが、数個~十数個できるそうな。
王椀と呼ばれる女王蜂を育てるための場所なのです。

日本みつばち 王台

この写真は王椀。

 

ただ、1つの群れに、女王蜂は1匹

みつばちの世界では、1つの群れの中では、女王蜂は1匹しか生息することができません。

そのため、新しい女王蜂が生まれる直前に、これまで巣の中にいた母女王蜂は、これから生まれてくる新しい娘女王蜂に、今の巣を譲り、母女王蜂は新天地を求めて、約半数の働き蜂と共に飛び立っていくのです。この現象が「分蜂」です。

 

分蜂して出ていった群れは、

一旦、巣箱の近くの太い木の枝などに蜂球と呼ばれる塊を作って集合し、ある程度の時間を過ごします。

日本みつばち 分蜂蜂球

これが蜂球、みつばちだけでできています

 

なぜこの状態で

集合しているのかというと、この時点では、まだ新しい住処が決まっておらず。この段階で、偵察隊の働き蜂が新しい住処となる場所を探しに出かけており、残った働き蜂と女王蜂が蜂球の状態で待っている状態なのです。(正確には、分蜂前の元の巣にいたときから、偵察隊は新しい住処を探しに出かけています。)

ちなみに、分蜂した働き蜂たちはいつ新居が決まるかわからないということもあり、お腹にたっぷりと蜜を蓄えてて出ていきます。そのため、危害を加えなければ、刺されることはほとんどありません。

 

そして、気に入った良い新居が見つかったら、群れがその場所へ向けて、一斉に飛んで行きます。
近くに置いてある巣箱の中に居ついたり、もしくは、山の中や石碑の隙間などに自然巣を作ったりすることも。

この大移動を、直接この目で見たら、とてもびっくりするという話をよく聞きますが、実は私はまだ見たことがありません…。今年こそは見てみたい。

 

大きな群れの場合は、

分蜂から数日後に、王台から新女王蜂が誕生して、第二分蜂がはじまります。この場合も、同様に、姉女王蜂が約半数の働き蜂を引き連れて、新天地を求めて飛び立って行きます。その後、第三分蜂ってことも。

そして、残った王台は、分蜂しなくなった巣の中では、これ以上、女王蜂が生まれてこないように、巣の主となった新しい女王蜂や働き蜂によって、王台が壊されて、幼虫も抹殺されます。なんとも厳しい社会です。
(ちなみに、同時に女王蜂が生まれた場合は、どちらか一方が死ぬまでの、殺し合いになるそうな。)

 

実は、分蜂は働き蜂がコントロール?

春になり、暖かくなってくると巣の中では、働き蜂が育児や採餌・貯蜜など、働き蜂たちが活発に活動するようになります。そうすると、巣の中はいっぱいになり、手狭になってきます。そこで、働き蜂たちが、巣の中で新しい女王蜂が生まれるよう準備し、そして、分蜂させるようにコントロールしているとも言われています。

日本みつばちの養蜂家にとって

年に1度だけ。

唯一、この時期だけが、巣箱で飼う群数を増やすことができる時期なのです。
この時期にどれだけ蜂に入ってもらえるかで、これからの先の採蜜量などが決まってくる大切な時期なのです。

みつばちたちに巣箱に入ってもらえるように、頑張っているところです。

 

ということで、

今回は、今の時期しか見れない「分蜂」について。
田舎に住んでいる方なら、山の中やお家の中に巣箱を置いておいておいたら、もしかしたら、日本みつばちが新しい住処として居ついてくれるかもしれません。