淡路島のたまねぎ②早生といえば

気が付けば、5月も終わり。

淡路島では、今がたまねぎシーズン真っただ中。
玉ねぎ畑では、たくさんの人や収穫する機械、車などなど、みんな総出で収穫作業です。

収穫されている玉ねぎも早生(わせ)玉ねぎや中生(なかて)玉ねぎに移ってきました。
(前回のブログで分類を書きましたので、「極早生」「早生」「中生」「晩生」って何だ?って思ったら、こちらを読み返してみてください。)

今回は少し遅くなりましたが早生(わせ)玉ねぎについて。

早生といえば

近くの産直に行ってみると、やっぱり玉ねぎでいっぱい

南あわじの産直

写真にはありませんが、この手前には、段ボールでたくさん積まれています。

淡路島のたまねぎ  淡路島のたまねぎ 淡路島のたまねぎ  淡路島のたまねぎ

そのなかで、売っている玉ねぎはほぼすべて「七宝」
そう、淡路島の早生たまねぎと言えば、「七宝」なのです。

 

七宝って

正確には株式会社七宝という会社が育成している「七宝早生7号」という品種です。
最近、兵庫県が発行した「淡路島たまねぎの教科書」によると、以下のようにかなり詳しく書かれております。

たまねぎの教科書

淡路島たまねぎの教科書(兵庫県 淡路県民局 洲本農林水産振興事務所 南淡路農業改良普及センター)
いろいろとマニアックなことが書いてあり、読み応えのある冊子です。おススメです。

七宝早生7号(株式会社七宝 育成) ♀貝塚早生×静岡早生 ♂愛知早生×今井早生 
肥大性に優れ、抽台・分球が少なく耐病性がある品種を選抜し、交配したF1を西南暖地に適した品種として1992年に育成。

 短期貯蔵に適した甲高の早生品種です。一般に4月から5月にかけて収穫されるたまねぎは「新たまねぎ」と呼ばれています。
 色は白く、肉質が柔らかくジューシーです。辛み成分のアリシンが少ないので、サラダなど生食用に適しています。傷つきやすく日持ちしないので期間限定のたまねぎです。
引用:淡路島たまねぎの教科書(兵庫県 淡路県民局 洲本農林水産振興事務所 南淡路農業改良普及センター)p.8

 

そんな七宝。

生産者である淡路島の農家さんからは「やっぱり七宝。七宝がおいしい!」というお話をよく聞きます。実は、七宝はこの時期限定の農家さんおススメの玉ねぎなのです。

ただ、中生や晩生のたまねぎと比べて貯蔵性が良くないなどの理由から、この時期しか市場には出回らず、この期を逃すと、「七宝」を食べる機会がぐっと減ってしまいます。

私の経験では、日陰で1ヵ月くらいは平気だったような気がしますが、通常、玉ねぎは何カ月も日持するものなので、それに比べると日持ちしないのかもしれないですね。そして、昨日も産直でお客さんのご夫婦が「「早めに食べてください」って書いているけど、どれくらい日持するのかわからない。」と話しておりました。

極早生と比べてみました。

まずは見た目。

玉ねぎ比較

左:極早生(濱の宝)右:早生(七宝)

玉ねぎ比較

左:極早生(濱の宝)右:早生(七宝)

どうでしょう?違いがわかるでしょうか?

まず、首のところが太さが違いますね。早生のたまねぎ(右側)はしっかりと首が締まっていますね。私も見比べてみてはじめて気が付きました。
そして、膨らみ方も少し違います。これはきっと品種の影響だと思います。(たまねぎは品種によって球のカタチが違ってきます。)

真っ二つにしたときは

玉ねぎ比較

左:極早生(濱の宝)右:早生(七宝)

スマホのカメラなのでわかりにくいかもしれませんが、極早生たまねぎ(左側)はが少し透明っぽく、みずみずしい。一方で、早生たまねぎ(右側)は、真っ白でずっしりとした感じです。

そして、スライスとその味わい

玉ねぎスライス

繊維を断ち切る方向にスライスしました。

極早生のたまねぎのときは、切ったあとすぐに食べても、みずみずしくて、辛みがほとんどなく、水分を甘味を感じることができました。
一方で、早生たまねぎの場合は、すぐに食べると、甘味のあとに辛みと玉ねぎのツーンとした香り、玉ねぎっぽさがあります。(私が生玉ねぎがあまり得意じゃないので、敏感なだけかもしれませんが。)

少し空気にさらしてあげたりすることで、辛みが飛んで、甘味を感じやすくなるので、ややマイルドになります。玉ねぎっぽさ残る玉ねぎスライスが好きな人にはこの七宝はもってこいだと思います。

おススメの食べ方

もちろん、スライスして生で食べるのもよいですが、個人的には、炒め物や玉ねぎフライ、かき揚げなど、火を通してあげることで、甘味がしっかりと引き立ち美味しくなります。BBQもよいですね。

玉ねぎフライ  BBQ

 

次回は

今回は早生玉ねぎについてご紹介しました。
「淡路島玉ねぎ」と言っても、たくさんの品種があり、時期によって味わいや特徴も様々です。

玉ねぎシーズンがピークを迎えている淡路島。
今後は中生や晩生のたまねぎ、淡路島にしかない農民車のことや玉ねぎ小屋のことなど。
データも交えて、気ままに書いていこうと思います。

 

淡路島のたまねぎ① 3月の新玉と玉ねぎの種類

玉ねぎシーズン到来

少しずつ暖くになってきました。3月ももうすぐ終わり。
そして、いよいよ淡路島が本領発揮する玉ねぎシーズンの始まりです。

すでに、地元の道の駅では、たくさんの「新玉」が並んでいます。春休みということもあり、たくさんの人が訪れており、みなさん新玉ねぎに夢中でした。

産直の玉ねぎ売り場

新玉がビッシリ

淡路島の玉ねぎは、たくさんの種類があり、様々な品種の玉ねぎが栽培されています。

そのため、収穫間近の玉ねぎ畑があったり、まだまだ小さくてかわいい玉ねぎが植わっている玉ねぎ畑があったり。

玉ねぎ畑
玉ねぎ畑

収穫目前の玉ねぎ

こっちの農場はまだまだ小さい玉ねぎ。6月に収穫します。

玉ねぎ畑

まだまだこんなに小さい

お店で見れば、すべて同じ玉ねぎなのに、

玉ねぎには、品種や収穫する時期によって、大きく分けて、「極早生(ごくわせ)」「早生(わせ)」「中生(なかて)」「晩生(おくて)」というように分類されます。
下の写真のように、たまねぎの色も全然違うのです。早生の玉ねぎが白っぽくて、中生や晩生の玉ねぎは茶色っぽい色をしています。

そして、品種も「レクスター」「まぼろし」「春いちばん」「ソニック」「アドバンス」「ターザン」「もみじ3号」「もみじの輝き」などなど。ちょっとかっこいい名前もありますね。

そのなかでも「極早生」「早生」「中生」の品種の玉ねぎが「新玉」と呼ばれます。

玉ねぎの種類

今、販売されているのは、極早生

3月末の今の時期、販売されている玉ねぎは「極早生」という玉ねぎです。

新玉ねぎ

濱の宝という品種の玉ねぎ

土を落として、きれいに皮をむいてあげると、透き通るような白さで美しい。

包丁で真っ二つに。

新玉真っ二つ

このみずみずしさ

切っていても目が痛くならない。

玉ねぎスライス

スライスにしていきます

スライスしたら、水にさらすのではなく、空気にさらしてあげる。
そうすることで、ほんの少しの辛みもなくなります。
今回は2種類の切り方で試してみました。

玉ねぎスライス

繊維に沿ってスライス

玉ねぎスライス

繊維を断ち切る方向

 

あとは、鰹節を振って、ポン酢をかけて食べる。
繊維に沿って切ったほうが、食感がしっかりしていて玉ねぎっぽさがしっかりと残っています。そして、繊維を断ち切ってスライスした方は、少しとろみがあって、甘味が強くなります。

どちらも美味しい。ひとつの玉ねぎで二度楽しめる。

玉ねぎスライス

それぞれの時期に応じて

これから淡路島は玉ねぎシーズンへ。
「早生」「中生」「晩生」についてや、淡路島の玉ねぎのことなどはそれぞれの時期に応じて、少しずつ書いていこうと思います。