みつばち社会〜働き蜂③蜜蝋を生み出す体〜
- 2017.09.02
- by Yukio
みつばちは、巣箱のなかで(もしくは自然界では木の洞の中などで)、蜜蝋を作り、その蜜蝋を使って、ハニカム構造の集合体である巣を作ります。それは、見ての通り寸分の狂いもなく、とても美しいものです。
今回は、その蜜蝋は、体のどこからできているのか、ということを書いていきます。
みつばちの体
これまで2週に渡り、みつばちの体について書いてきました。
外観は見ての通りふわふわのもふもふ。(ルックスについてはこちら)
体の中には蜜胃があり、肢には花粉をつける花粉かごがあり。(体の構造についてはこちら)
この体のどこに蝋ができる場所があるのか??
実は、この腹部の後ろあたりに4対で8つの分泌腺(ワックス腺や蝋腺と呼ばれる)があり、そこから蝋が作り出されるのです。ちなみに、蝋が作り出されるお腹の部分は「ワックスミラー」と呼ばれています。ちょっとかっこいい名前です。
分泌されたときは液体ですが、分泌後はすぐに固まり、蝋片と呼ばれる1mmくらいの大きさの透明な鱗状のモノになります。イメージはこんな感じです。
出来立ての蜜蝋は透明で白っぽいのです。
花粉の色素が付着したり、子育てをして、幼虫の脱皮した皮や排泄物が付着することで、黄色く変色したり、強度も増していきます。
みつばちは、この分泌した蝋片を後ろ足の節にひっかけて、口元まで運んできます。
そして、大顎でこねられて、大顎線の分泌液と混ざり、みつばちが扱うの適した粘度に調整されるそうです。言い換えると、ガムのように口の中で噛み続けて、唾液と混ぜ合わせながら、柔らかくしているということですね。
みつばちの驚くべき特性。すごいです。
参考にしている文献ではこのように書かれています。人間に例えるとおもしろいです。
これは手工業者に例えると、彼は肋骨の間に、建築素材を汗のように絞り出し、その特徴を顧客の要望を満たすように変えることさえできるのである
引用:丸野内棣訳、2010、『ミツバチの世界 個を超えた驚きの行動を解く』、丸善出版
巣を作るにはどれくらい必要なの?
働き蜂が鱗状の蝋片(蜜蝋)を調整するのに約4分かかると言われています。
そして、この蝋片(蜜蝋)100gで約8,000の巣房を作ることができるそうで、その8,000の巣房を作るためには、125,000個の蝋片が使われるそうです。(巣房・・・六角形のハニカムの1つのこと)
よくわからない個数になってきましたね。
ちなみに、中ぐらいの規模の巣の巣房数は、約100,000個だそうで、そのためには、蜜蝋は1,250g必要になり、ということは、1,562,500個の蝋片が必要になるとか・・・。
みつばちはすごい!!
もう、よくわかりません。
そして、蜜蝋を作り出すためには、大量のはちみつが必要であり、はちみつ10gに対して、たった1gだけ蜜蝋が分泌されるそうです。
作り出せるみつばちは限られている
巣の中で、蝋片を作り出して、巣を作っていくみつばちたち。
実は、この分泌腺から蝋片が体から出るのもピークがあって、参考にしている本では、羽化12日~18日で性能が頂点に達し、その後退化する。と書かれています。
(これは参考にする書物などで違うので、正確な日数などはわかりません。)
みつばちのお仕事についてはまたの機会に。
というところで、今回はこれでおしまいです。
参考
丸野内棣訳、2010、『ミツバチの世界 個を超えた驚きの行動を解く』、丸善出版
山田養蜂場ミツバチ研究支援サイト:https://www.bee-lab.jp/hobeey/hobeeydb/db01/hobeey01_12.html#ac02