淡路島のたまねぎ②早生といえば
- 2017.05.31
- by Yukio
気が付けば、5月も終わり。
淡路島では、今がたまねぎシーズン真っただ中。
玉ねぎ畑では、たくさんの人や収穫する機械、車などなど、みんな総出で収穫作業です。
収穫されている玉ねぎも早生(わせ)玉ねぎや中生(なかて)玉ねぎに移ってきました。
(前回のブログで分類を書きましたので、「極早生」「早生」「中生」「晩生」って何だ?って思ったら、こちらを読み返してみてください。)
今回は少し遅くなりましたが早生(わせ)玉ねぎについて。
早生といえば
近くの産直に行ってみると、やっぱり玉ねぎでいっぱい

写真にはありませんが、この手前には、段ボールでたくさん積まれています。




そのなかで、売っている玉ねぎはほぼすべて「七宝」
そう、淡路島の早生たまねぎと言えば、「七宝」なのです。
七宝って
正確には株式会社七宝という会社が育成している「七宝早生7号」という品種です。
最近、兵庫県が発行した「淡路島たまねぎの教科書」によると、以下のようにかなり詳しく書かれております。

淡路島たまねぎの教科書(兵庫県 淡路県民局 洲本農林水産振興事務所 南淡路農業改良普及センター)
いろいろとマニアックなことが書いてあり、読み応えのある冊子です。おススメです。
七宝早生7号(株式会社七宝 育成) ♀貝塚早生×静岡早生 ♂愛知早生×今井早生
肥大性に優れ、抽台・分球が少なく耐病性がある品種を選抜し、交配したF1を西南暖地に適した品種として1992年に育成。
短期貯蔵に適した甲高の早生品種です。一般に4月から5月にかけて収穫されるたまねぎは「新たまねぎ」と呼ばれています。
色は白く、肉質が柔らかくジューシーです。辛み成分のアリシンが少ないので、サラダなど生食用に適しています。傷つきやすく日持ちしないので期間限定のたまねぎです。
引用:淡路島たまねぎの教科書(兵庫県 淡路県民局 洲本農林水産振興事務所 南淡路農業改良普及センター)p.8
そんな七宝。
生産者である淡路島の農家さんからは「やっぱり七宝。七宝がおいしい!」というお話をよく聞きます。実は、七宝はこの時期限定の農家さんおススメの玉ねぎなのです。
ただ、中生や晩生のたまねぎと比べて貯蔵性が良くないなどの理由から、この時期しか市場には出回らず、この期を逃すと、「七宝」を食べる機会がぐっと減ってしまいます。
私の経験では、日陰で1ヵ月くらいは平気だったような気がしますが、通常、玉ねぎは何カ月も日持するものなので、それに比べると日持ちしないのかもしれないですね。そして、昨日も産直でお客さんのご夫婦が「「早めに食べてください」って書いているけど、どれくらい日持するのかわからない。」と話しておりました。
極早生と比べてみました。
まずは見た目。

左:極早生(濱の宝)右:早生(七宝)

左:極早生(濱の宝)右:早生(七宝)
どうでしょう?違いがわかるでしょうか?
まず、首のところが太さが違いますね。早生のたまねぎ(右側)はしっかりと首が締まっていますね。私も見比べてみてはじめて気が付きました。
そして、膨らみ方も少し違います。これはきっと品種の影響だと思います。(たまねぎは品種によって球のカタチが違ってきます。)
真っ二つにしたときは

左:極早生(濱の宝)右:早生(七宝)
スマホのカメラなのでわかりにくいかもしれませんが、極早生たまねぎ(左側)はが少し透明っぽく、みずみずしい。一方で、早生たまねぎ(右側)は、真っ白でずっしりとした感じです。
そして、スライスとその味わい

繊維を断ち切る方向にスライスしました。
極早生のたまねぎのときは、切ったあとすぐに食べても、みずみずしくて、辛みがほとんどなく、水分を甘味を感じることができました。
一方で、早生たまねぎの場合は、すぐに食べると、甘味のあとに辛みと玉ねぎのツーンとした香り、玉ねぎっぽさがあります。(私が生玉ねぎがあまり得意じゃないので、敏感なだけかもしれませんが。)
少し空気にさらしてあげたりすることで、辛みが飛んで、甘味を感じやすくなるので、ややマイルドになります。玉ねぎっぽさ残る玉ねぎスライスが好きな人にはこの七宝はもってこいだと思います。
おススメの食べ方
もちろん、スライスして生で食べるのもよいですが、個人的には、炒め物や玉ねぎフライ、かき揚げなど、火を通してあげることで、甘味がしっかりと引き立ち美味しくなります。BBQもよいですね。


次回は
今回は早生玉ねぎについてご紹介しました。
「淡路島玉ねぎ」と言っても、たくさんの品種があり、時期によって味わいや特徴も様々です。
玉ねぎシーズンがピークを迎えている淡路島。
今後は中生や晩生のたまねぎ、淡路島にしかない農民車のことや玉ねぎ小屋のことなど。
データも交えて、気ままに書いていこうと思います。