日本に輸入される蜂蜜はどこから来ているのか?
- 2017.06.08
- by Yukio
どーも、細かな数字を見るのが好きなゆきおです。
以前のコラムで日本国内のはちみつの流通量について、農林水産省が公表しているデータを基に簡単に分析をしました。前回のコラムはこちらから。
その中では、国産蜂蜜はたった7%であり、残りの93%は海外から輸入された蜂蜜であるということでした。しかも、輸入蜂蜜の約7割は中国から。前回の復習はこちらの図で。
そんなデータを見ながら、一体どんな国から輸入されているのかが気になったので、今回はもう少し詳しく調べてみました。
輸入・輸出されるもの
日本から輸出されるもの、日本に輸入されるものはすべて、財務省貿易統計から数量や重さ、金額などを月単位や年単位で調べることができるのです。
貿易統計とは貿易統計は、経済統計に関する国際条約及び関税法に基づき、我が国の貿易の実態を正確に把握し各国の外国貿易との比較を容易にすることにより、国や公共機関の経済政策、私企業の経済活動の資料に資することを目的に作成、公表及び閲覧されるものです。(引用:財務省HP)
もちろん、はちみつも勝手に輸入していいものではありません。蜂蜜の関税は約30%(WTO協定国で25.5%)とちょっと割高なのです。(そのことについてはまたいつかのコラムで)
はちみつはどの国から?
貿易統計によると、2015年は世界196カ国のうち41カ国の蜂蜜が日本に輸入されていることがわかりました。一覧は以下の通り。
ダントツで多いのは中国で26,411,417kg(26,411トン)という圧倒的な量。そして、一番少ないのはエストニアでたったの72kg。
(出典:貿易統計 草地家が独自に作成)
順位 | 国名 | 輸入量(kg) |
1 | 中華人民共和国 China | 26,411,417 |
2 | アルゼンチン Argentina | 3,277,996 |
3 | カナダ Canada | 2,842,142 |
4 | ミャンマー Myanmar | 738,210 |
5 | ハンガリー Hungary | 720,998 |
6 | ニュージーランド New Zealand | 549,296 |
7 | メキシコ Mexico | 406,985 |
8 | ルーマニア Romania | 236,780 |
9 | スペイン Spain | 191,961 |
10 | オーストラリア Australia | 119,190 |
11 | ベトナム Vietnam | 98,300 |
12 | ドイツ Germany | 94,529 |
13 | イタリア Italy | 87,758 |
14 | フランス France | 74,920 |
15 | ブラジル Brazil | 54,910 |
16 | グアテマラ Guatemala | 53,700 |
17 | エチオピア Ethiopia | 41,760 |
18 | ウクライナ Ukraine | 39,315 |
19 | スイス Switzerland | 29,013 |
20 | インド India | 22,947 |
21 | タイ Thailand | 22,766 |
22 | アメリカ合衆国 United States | 18,217 |
23 | キューバ Cuba | 18,000 |
24 | ブルガリア Bulgaria | 14,989 |
25 | スウェーデン Sweden | 13,938 |
26 | 英国 United Kingdom | 11,264 |
27 | タジキスタン Tajikistan | 10,000 |
28 | オーストリア Austria | 5,829 |
29 | 大韓民国 South Korea | 3,593 |
30 | キルギス Kyrgyzstan | 2,667 |
31 | ギリシャ Greece | 1,970 |
32 | 台湾 Taiwan | 1,725 |
33 | トルコ Turkey | 1,309 |
34 | フィンランド Finland | 1,008 |
35 | ポルトガル Portugal | 797 |
36 | オランダ Netherlands | 522 |
37 | 南アフリカ共和国 South Africa | 350 |
38 | ポーランド Poland | 275 |
39 | モンゴル Mongolia | 125 |
40 | チュニジア Tunisia | 100 |
41 | エストニア Estonia | 72 |
計 | 36,221,643 |
世界地図で見るとこうなります。世界各国から輸入されてることがよくわかります。地図で見ると一目瞭然。わかりやすいですね。特に、欧米やアジア、オセアニアからの輸入が多い中で、中東やアフリカからはとても少ないです。
(そして、Wordpressを使うとこんなことも簡単に表現できるんですね。改めて感心しました。)
(上記のデータを基に草地家が独自に作成)
うちにある蜂蜜のなかで
うちにはとても希少な南スーダンの蜂蜜があります。
この蜂蜜は、今年の1月、東京に仕事で行ったときに、陽子ちゃんがマルシェで出会ったもの。
マラウィやケニア、南スーダンで養蜂技術の指導から輸入・販売までを行い途上国支援をしているフェアトレード蜂蜜なのです。そんな素敵なはちみつなのです。
そして、まだ開けることなく、そのままです。
今回は
世界中の様々な国から、日本に蜂蜜が届けられているということを可視化してみました。
はちみつを味わうだけでなく、どの国で、どんな風に作られた蜂蜜なのか、調べてみたり、思いをはせてみたり。そういうこともよいですね。
この蜂蜜というものは、日本では、奈良時代から記録が残っているものです。その後もずっと日本人の暮らしと密接につながってきたものだと思います。この日本という国の中で、時代の変化と共に養蜂や蜂蜜はどのような扱いがされていたのか。
そして、いつ、どの段階で、海外のはちみつが増えていったのか?などなど。
もう少し勉強してから、コラムにしていきたいと思います。