蜂蜜って何?~日本の蜂蜜には規格がある①~
- 2017.02.22
- by Yukio
前回のコラムでは、みつばちたちが持ち帰った花の蜜がはちみつになるまでということで、はちが作る「はちみつ」について書きました。そして、今回は私たち「人」が「はちみつ」と呼んでいるものは何なのかということを書いていこうと思います。

イベントではちみつを販売しているときに
「海外の安い蜂蜜は、水あめとかのはちみつ以外のものが入っているんじゃないの?」
という話もよく耳にしました。
はちみつを買いたいと思ったときに、そういう疑問を持ったり、不安に思った時があるのでは。とお思いまして少し長くなりますが、読んでみてください。
日本の「はちみつ」の規格は?
アカシア蜂蜜やレンゲ蜂蜜、そば蜂蜜、菩提樹の蜂蜜、百花蜜など。花の蜜で様々な種類の蜂蜜があるのはご存知だとは思いますが、蜂蜜そのものに規格があることはご存知でしょうか?
難しいのですが、日本では、「はちみつ類の表示に関する公正競争規約」というルールがあります。そして、このルールは、「全国はちみつ公正取引協議会」という業界団体が公正取引委員会による認定の下、自主的に設定した業界のルール(公正競争規約)だそうな。
(ちょっと余談ですが、この「全国はちみつ公正取引協議会」という団体、過去に2007年に不正が発覚したとか、いろんな業界の甘い体質があったようです。)
この規約では、はちみつには、「はちみつ」「精製はちみつ」「加糖はちみつ」「巣はちみつ」「巣はちみつ入りはちみつ」の5種類のはちみつがあり、それらをひっくるめて「はちみつ類」と呼ぶそうです。(関心のある方はこちらにPDFがあります。 )
おおっなんだか業界言葉っぽいですね。
そして、「はちみつ類」「精製はちみつ」「加糖はちみつ」・・・なんだか怪しいぞ。
書いてある内容をまとめてみるとこんな感じ。(僕は元々理系なので、すぐ図にしたくなります)

なんだか気になるところがいくつかありますね・・・。
まず、はちみつ
「みつばちが 植物の花みつを採集し、巣房に貯え熟成した天然の 甘味物質。」
というのはなんとなくわかりますね。みつばちたちが頑張って集めてきたはちみつ。
水分量などの組成基準(成分)には、目安となる数値があるそうです。
(水分量についてはまた別のコラムで)

ただ(6)には、「精製はちみつ又はロー ヤルゼリー、花粉、香料、果汁若しくはビタミンを 加えたものを含むもの」
「加えたものを含むもの」??よくわからないのですが、いろいろ混ざってても「はちみつ」と呼べるのかもしれない…。
(その謎はまた次回)
次に、「精製はちみつ」と「加糖はちみつ」について
「精製はちみつ」とは、
はちみつを人工的に脱色・脱香し、おまけに、加工工程ではちみつが本来持っているビタミンやミネラル、タンパク質などを破壊されてしまい、甘味だけが残ったものです。昔は、「脱臭・脱色はちみつ」と言われていたそうです。
はちみつをそのまま清涼飲料水などに入れると、特有の匂いや濁りが出るので扱いにくく、昔からこの精製はちみつが清涼飲料水や食品加工に使われているそうな。
成分表示欄に「精製はちみつ」と表記されている商品は、商品名に「はちみつ入り」「○○はちみつ」っていうカタチで販売できるということで、よくドリンクで蜂蜜入りっていうのはこのはちみつのことですね。
「加糖はちみつ」とは、
はちみつに異性化糖液を加えたもので、はちみつの含有量が重量の60%以上のもの。
異性化糖液とは、食品加工用にトウモロコシやジャガイモ、サツマイモのデンプンから作られた糖液で、はちみつとは全く異なるものです。
要するにはちみつに人工的な糖液を混ぜ込んだものが「加糖はちみつ」だそうな。
この2つの「はちみつ」と言われているもの。
はちみつと言えるのかは何とも言い難いですね。
ちなみに、「精製はちみつ」や「加糖はちみつ」のように、加工されたモノを「はちみつ」と言っているのは、日本だけだそうです。
ということで、
うーん、蜂蜜への疑問がさらに湧いてきたかもしれませんね。
この大きな業界、奥が深いですね。
淡路島の小さな日本みつばち屋さんの私にはこの大きな業界のことはよくわかりません。
歯切れが悪いですが、今日はここまで!!
次回は、この続きをお届けします。
巣はちみつのこと、はちみつのこと。
じゃ、スーパーで目にする「はちみつシロップ」って何なんだ??
私たちはこれらのはちみつをどうやって見分けるのか?
ラベル表示についてももう少し深堀してみようと思います。また、よく「Pure」や「純粋」など、はちみつには同じような表現が多いと思うのですが、その理由について迫ります。
(果たして、次週で話が完結するのか…)

ゆきお