はちみつの賞味期限は?

イベント出店していると、お客さんから
「賞味期限っていつまでですか?」
ということをよく聞かれます。
普段、はちみつはたくさん使うものでもないので、保存がきく方がいい。
でも、いつまでに食べた方がいいんだろう?腐ったら困るな~。
ということかもしれません。

ということで、今回は、はちみつの成分のことや賞味期限のお話。

はちみつの主な成分は糖類と水分

以前、『蜂蜜って何?〜蜂蜜ができるまで〜)』というコラムで書いたように、
蜂蜜ができるまでには、花から集めてきた蜜が、蜂たちの口移しバケツリレー方式で、様々な酵素が混ざり合いながら、巣の中に蓄えられるということでした。

花の蜜の糖度はみつばちが採集した段階では40%未満と言われており、巣の中に蓄えられてから、みつばちが羽ばたき、風を送ることによって水分が飛ばされた結果、蜂蜜の糖度は80%前後になるのです。

風を送る日本みつばち

巣の中に風を送る日本みつばち

そして、みつばちたちの頑張りによって、水分が飛んで、糖度が高くなると熟成された蜂蜜が完成です。完成した蜂蜜は、蜂たちがミツロウで作った蓋(蜜蓋)で封をします。

巣と蝋蓋

この蝋蓋がされているということは、はちみつの糖度が上がり、しっかりと熟成されたという証です。そして、それは、みつはちのチカラだけで熟成した蜂蜜であるということですね。

みつばちが蝋蓋をする前の水分量が多い状態のはちみつを採蜜して、人工的に加熱し、水分を飛ばして、糖度が80%前後になったら瓶詰めして、販売するという蜂蜜もあるそうです。

これを何度か濾して、商品となる蜂蜜が出来上がります。
採蜜後のはちみつの主な成分は、糖類(ぶどう糖や果糖など)が約80%、水分が約20%です。
(※はちみつの細かな成分や効能については、またの機会に。)

糖度が高いということは

糖度が約80%。糖の濃度が高く、水分が少ないというのは、細菌などの菌が繁殖しにくい環境なのです。また、はちみつの中に細菌が入っても、糖分が細菌内の水分を吸い取ってしまうので、細菌は繁殖できずに、死滅してしまします。難しい言葉で「浸透圧」と言います。

ジャムを作るときに、果物に砂糖を振っておくと、果物から水分が抜けるのと同じ現象ですね。

(ナメクジに塩をかけたときに小さくなるのもこの現象。私は子どものころにやりました)

さらに、はちみつには殺菌効果が

はちみつにはグルコン酸などの有機酸が含まれているため、常に弱酸性の状態になっているため、その中で菌が繁殖しにくいと言われています。
それに加えて、はちみつ内にあるグルコースオキシターゼという酵素が、空気中の酸素と結びつき、過酸化水素を作り出します。この過酸化水素が強い殺菌作用を持っているのです。

 

これらの様々な殺菌作用などが複合的に絡み合い、高い保存性が生まれているのです。

ということで、はちみつは腐りません!!

 

売っている蜂蜜には賞味期限が書いてあるけど

食品を販売するにあたって、法律上、賞味期限を記載する必要があるのです。
そして、蜂蜜の場合は1~3年くらいのものが多いです。

その理由としては、時間の経過とともに風味や味わいが変化するということもあり、賞味期限の参考として、一般社団法人日本養蜂協会のWebサイトに以下のように書いているからだと思います。

賞味期限は、充てん後1~3年を目途に販売者が決定するものとし、元号若しくは西暦の「年 月」でもって表示するものとする。(一般社団法人日本養蜂協会HP参照

腐るものではないのですが、一応決めておかないとっていうことで、このように書かれております。賞味期限は、販売者が決定するものなのです。

草地家では、採蜜月から2年間とさせていただいております。
が、過ぎても腐るものでもありませんので、美味しくいただけます。

賞味期限の表記については、製造日から3ヵ月を超えるものは、「年月」表記で認められているので、例えば、2016年10月に採蜜したものであれば、賞味期限は2018年9月になります。

では、はちみつって絶対に腐らないの?腐る可能性はないの?

はちみつそのものは、先ほどまで書いていたように腐るものではありません。
ただ、はちみつの中に、水や異物が入ってしまうと腐ったり、カビが生えたりする可能性があります。

例えば、水でぬれたスプーンを使い、蜂蜜の中に水気が入ってしまったり。直接、指を蜂蜜ビンの中に入れたり、ペロリしたり。口をつけたスプーンを再び蜂蜜ビンの中に入れてしまったり。

そういうことにならないように、ご注意ください。

淡路島のたまねぎ① 3月の新玉と玉ねぎの種類

玉ねぎシーズン到来

少しずつ暖くになってきました。3月ももうすぐ終わり。
そして、いよいよ淡路島が本領発揮する玉ねぎシーズンの始まりです。

すでに、地元の道の駅では、たくさんの「新玉」が並んでいます。春休みということもあり、たくさんの人が訪れており、みなさん新玉ねぎに夢中でした。

産直の玉ねぎ売り場

新玉がビッシリ

淡路島の玉ねぎは、たくさんの種類があり、様々な品種の玉ねぎが栽培されています。

そのため、収穫間近の玉ねぎ畑があったり、まだまだ小さくてかわいい玉ねぎが植わっている玉ねぎ畑があったり。

玉ねぎ畑
玉ねぎ畑

収穫目前の玉ねぎ

こっちの農場はまだまだ小さい玉ねぎ。6月に収穫します。

玉ねぎ畑

まだまだこんなに小さい

お店で見れば、すべて同じ玉ねぎなのに、

玉ねぎには、品種や収穫する時期によって、大きく分けて、「極早生(ごくわせ)」「早生(わせ)」「中生(なかて)」「晩生(おくて)」というように分類されます。
下の写真のように、たまねぎの色も全然違うのです。早生の玉ねぎが白っぽくて、中生や晩生の玉ねぎは茶色っぽい色をしています。

そして、品種も「レクスター」「まぼろし」「春いちばん」「ソニック」「アドバンス」「ターザン」「もみじ3号」「もみじの輝き」などなど。ちょっとかっこいい名前もありますね。

そのなかでも「極早生」「早生」「中生」の品種の玉ねぎが「新玉」と呼ばれます。

玉ねぎの種類

今、販売されているのは、極早生

3月末の今の時期、販売されている玉ねぎは「極早生」という玉ねぎです。

新玉ねぎ

濱の宝という品種の玉ねぎ

土を落として、きれいに皮をむいてあげると、透き通るような白さで美しい。

包丁で真っ二つに。

新玉真っ二つ

このみずみずしさ

切っていても目が痛くならない。

玉ねぎスライス

スライスにしていきます

スライスしたら、水にさらすのではなく、空気にさらしてあげる。
そうすることで、ほんの少しの辛みもなくなります。
今回は2種類の切り方で試してみました。

玉ねぎスライス

繊維に沿ってスライス

玉ねぎスライス

繊維を断ち切る方向

 

あとは、鰹節を振って、ポン酢をかけて食べる。
繊維に沿って切ったほうが、食感がしっかりしていて玉ねぎっぽさがしっかりと残っています。そして、繊維を断ち切ってスライスした方は、少しとろみがあって、甘味が強くなります。

どちらも美味しい。ひとつの玉ねぎで二度楽しめる。

玉ねぎスライス

それぞれの時期に応じて

これから淡路島は玉ねぎシーズンへ。
「早生」「中生」「晩生」についてや、淡路島の玉ねぎのことなどはそれぞれの時期に応じて、少しずつ書いていこうと思います。

【草地家、はじめてのトークイベント】

 

来月、4/6(木)の夜に大阪駅から徒歩数分「はちみつとフリーペーパーのお店 はっち」にてトークイベントでお話をさせていただきます。

声をかけてくださったのは、大阪・梅田で「はちみつとフリーペーパーのお店 はっち」で「はちみつ担当」を務める比嘉さん。「はっち」では、毎月第一木曜日を「はちみつday」として、はちみつ・ミツバチに関するトークやイベントを開催しているのです。

トークイベントでは、日本みつばちを通じた私たちの取り組みを中心に、在来種である日本みつばちのことやはちみつのことなど。また、淡路島での暮らしや遊び方、食のことなど、淡路島の魅力的なところもお話する予定です。
どんな展開になるかはまだ決まっていませんが、みんなでお話ができたらと考えています。

まだまだ、養蜂家見習いなのですが、このような取り組みを通じて、みつばちのことや淡路島に関心を持ってもらえたらいいなーと思います。

大阪付近のみなさまのお越し、お待ちしておりまーす!
木曜の夜、お仕事帰りにふらりと寄ってくださいねー。

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■日時:平成29年4月6日(木)20時~22時
■場所:はちみつとフリーペーパーのお店 はっち
■住所:大阪市北区中津5丁目4-21(大阪駅から徒歩10分)
■参加費:会場にてワンドリンクオーダー+投げ銭
■参加申し込み:Facebookにてイベントページにて(こちら

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「純粋はちみつ」「PureHoney」が多い理由は

スーパーなどで蜂蜜コーナーを目にしたことはあるでしょうか?

ちょっと立ち止まって、様々なはちみつを手に取ってみてください。

純粋はちみつ

一番よく見るのがこれ

純粋はちみつ

こんなものもあります

見ての通り、ほとんどのものに「純粋はちみつ」や「PureHoney」という名前です。 

今回は、なんで「純粋はちみつ」「PureHoney」なのかということを少し詳しく書いてみます。

 

その理由は、そういう決まりだから。

はい、これまで何度か出てきた「はちみつ類の表示に関する公正協議規約」にはこのように書いています。

純粋とPure

この規約によりますと、「純粋」、「天然」、「生」、「完熟」、「ピュア」、「ナチュラル」、「Pure」、「Natural」などの言葉は、「純粋」もしくは「Pure」に統一しなさい。他の言葉は使っちゃいけません。ということなのです。

ある本には、消費者がまぎらわしくないように、業界団体で「純粋」「Pure」に統一したということも記載されていました。(←ちょっと怪しいぞ…)

 

購入するときによくわからない

だたこれ、購入する人にとって優しくない。
スーパーで様々な蜂蜜を手に取ってみてもパッケージがほとんど同じで、表示ラベルを見ても同じ。(ラベル表示についてのルールはこちらのコラムを参照)
純粋はちみつ

「違いがわからない、何を選んだらいいのかわからない。」

「なんとなく、パッケージでこっちを選ぼう。」

「こっちの国よりこっちの国の方がなんとなく安心」

っていうことも。

消費者にやさしいということで決めたルールが実はわかりにくいっていうことも。
というか、消費者目線ではないような気もしますね…。

そして、問題なのは

混ぜ物の入っていないはちみつであれば、すべて、「純粋」や「Pure」と名乗ることができるのです。生産地も、製造方法も。その過程も決まりはありません。

例えば、

海外で詰められたものも「純粋はちみつ」

「中国産」のはちみつと「アルゼンチン産」のはちみつが混ざっていても「純粋はちみつ」

水分量が多いままのはちみつを採蜜して、加熱処理をして、水分を飛ばしてできたはちみつも「純粋はちみつ」

日本国内で採れたはちみつも「純粋はちみつ」
(ただし、日本だけの場合は、「国産純粋はちみつ」)

「純粋」って何なんだと思いますね。

純粋はちみつ

左が中国産のはちみつ 100gで100円 これも「純粋はちみつ」
右がカナダ産の「純粋クローバーはちみつ」 これも「純粋」って書いてます。

 

ということで、やっぱり業界ルールなのです

大きな会社さんの販売している蜂蜜は、ほぼすべてが「純粋はちみつ」や「PureHoney」という名前なのです。

ただ、このルール、前回もお伝えしたように、従う必要はないです。
そのため、「生はちみつ」や「完熟はちみつ」などという名前で販売しても問題はないのです。

 

どうして固まるの?蜂蜜の不思議

冬を越えて固まった蜂蜜が、お家にある人も多いのでは?
今回は、蜂蜜と固まることについて書いていきます。

少し結晶化してきている秋採り蜜

1.なぜ蜂蜜は固まるのか

購入するときにはトロリとしていても、
いつの間にか白く固まってしまう蜂蜜。
蜂蜜はなぜ固まってしまうのでしょう?
まず、蜂蜜が白く固まることを「結晶」といいます。
よく蜂蜜を使うよ、という方はご存知かもしれませんが、
すべての蜂蜜でこの「結晶」化が起こるわけではありません。
蜂蜜に含まれる成分のうち、ブドウ糖が結晶化しやすい性質を持っているため、
ブドウ糖の多い花の蜜由来の蜂蜜は結晶化しやすいと言えます。

2.寒いと固まる?温度と結晶化

寒い季節になるといつの間にか白く固まっている、
そんな印象がある蜂蜜。

いつの間にか、カッチカチ

実際、私たちもこの冬、小瓶に入れていた蜂蜜がザラザラとしたものがいくつかあります。
しかし、寒い=結晶化するということではないそう。
蜂蜜が結晶化しやすい温度は、なんと14~16度。
つまり、低温=固まるというわけではなく、冬よりはむしろ秋や春のほうが固まりやすい。
さらに、気温差や振動といった条件が加わることでより結晶化しやすくなるのだそう。

また蜂蜜には一応、賞味期限の明記が義務付けられていますが、
そもそも糖度が高く、殺菌作用があるため腐るようなものではありません。
そのため蜂蜜の入っている瓶の底にプツプツと白いものが見えたら、
それはおそらく結晶化の始まりです。

底の小さな粒が結晶

3.本物の蜂蜜は結晶化する?

「水アメが混ざったりしていない本物の蜂蜜は結晶化して固まるんですよね」と
時々言われたりすることがあります。
確かに、水アメが混ざっていると固まらないそうです。
また、結晶化の際、花粉が核になるため花粉を除去した蜂蜜でも同様だそう(そんなものもあるのですね)。
ただ、最初に述べたようにブドウ糖の含有量で結晶化しやすさが異なってくるため、
混ざり物のない蜂蜜でも、蜜源となる花の種類によっては結晶化しにくいものもあります。

このお花はどうだろう

4.固まった蜂蜜はどうしたらいいのか

いろいろ固まる理由がわかってきたところで、
そんな結晶化した蜜をどうすればいいのか、というところですね。
ザラザラとしていたり、固まってしまって使いづらい、
そんな時は40度ほどのお湯に、容器ごと浸けてみてください。
しばらくすると、トロリとした形状に戻っていきます。
また、柑橘にかけると、程よく溶けて美味しい。

でも、せっかく結晶化しているのだから、
そのまま使う、というのもアリかなとも思います。
トロリとしていた時と比べて、ざらりとした食感や味わいがこれまた濃厚。
パンやクラッカーなどと合わせると、
結晶化する前とは少し違った食べ応えを楽しむことができますよ。

さて、今回はここまで。
季節の変わり目のこの時期、蜂蜜をパクッと食べて元気に過ごしましょー。

 

3月8日は「みつばちの日」

今日は水曜日ということで、「みつばちコラム」の日。
ただ、本日3月8日は、年に一度しかない「みつばちの日」なのです。

全日本ミツバチ協同組合と日本養蜂はちみつ協会が制定したそうな。
いつできたのか、なぜできたのかについては調べても記述が見つかりません。

理由はきっと「みつ(3)ばち(8)」だから。
それ以上でもそれ以下でもありません。

 

草地家のみつばち

みつばちのことを考える。

草地家のみつばち

みつばちに想いを馳せる。

草地家のみつばち

みつばちを眺める。

みつばちたちに感謝をこめて、はちみつを食べるのもいいかも。

1匹のみつばちが集めてくる蜜はティースプーン1杯分(約3g)
パクリと食べれば、みつばちや森の姿が思い浮かんでくるはず。
思い浮かばなければ、想像しましょう。

日本みつばち

そんなみつばちの日です。
私たちもみつばちたちに想いを馳せながら、はちみつをパクリとしました。

 

温かくなったら、早く会いたいね。

 

 

ちなみに、3月8日は日本では、
さばの日 (さ(3)ば(8))
鯖ずしの日 (さ(3)ば(8)ずし)
サワークリームの日 (サ(3)ワ(8)ークリーム)
ビールサーバーの日 (ビールサー(3)バー(8))
さやえんどうの日 (さ(3)や(8)えんどう)
みやげの日 (み(3)や(8)げ)
エスカレーターの日

世界では、国際女性デーです。

 

なお、次の記念日は8月3日の「はちみつの日」

梅薫る、立ち込める春

先日の暖かい日、
彼女たちもそろそろ飛び回っている頃かしらと
久しぶりに山を訪れました。

もうすっかり春の色

ちいさな青い花をたくさんつけている

春の香りに淡い梅の色、実る柑橘。
気持ちのいい風に弾む足取り。

甘い香りがふわり

近くには柑橘もあります

 

 

でも、なんだか違和感。
巣箱の前まで来てみても、まるで賑わいがない。
あれれ・・・?
しばらく巣箱を覗き込んでいるとやっと出てきた。

ちょこちょこと出てきた

 

 

確かに出てきた。
でも、やっぱり様子がおかしい。

地上を這うミツバチがたくさん

まだ少し寒かったのか、それともダニにやられて動けなくなってしまったのか。
最初に行ったこの山はすごく静かで
わずかに出てきている群れの子たちも地面を這うばかり。
先日、聞いたアカリンダニの寄生症状にピタリとハマる。
みんな、苦しいのだろうか。
なんだか怖くて、ちいさな体で地面を力なく歩く子たちを見ていると悲しくて
鼻の奥がツンとしてしまった。
ダニはみつばちの器官に寄生して、繁殖していく。
そして窒息させる。
羽をふるわせる力が弱まれば、群れの温度も維持できず凍死もある。
ダニに悪気はないけれど、当のみつばちは苦しいだろう。
想像すると可哀想で、何もしてやれないけど、ごめんよと思う。

指に乗せても大人しくしている

 

一旦、いちじくの枝を切る作業に勤しんでから、
夕方また別の山へ様子を恐る恐る見に行く。

彼女たちはどうしてるだろう、
これだけ暖かくて日当たりの良い日だからちょっとは喜ばしくしているのではないか、
「早く会いたい」と心が弾む一方、
春を迎えられずにみんな地面に落ちてしまっているのでは…と、
不安な気持ちもどんどん膨らんでいく。

山に入ると、枯葉と新緑を踏む軽快な音。

 

枯葉と新緑が一歩ごとにザクザク音を立てる

草木のいい香り。

そーっと巣箱の前にいって様子を見てみる。

1匹、2匹と、中から出てきては飛び立って、
蜜を集めてきては巣の中へと入っていく。
大勢ではない、でも静かに活動を始めている。
よかった。

 

「いたいたー」

でも、いくつか見て回っていると、もう活動をやめてしまったらしき群れもある。
あんなに元気だったのに、冬は大変な季節なんだと実感が湧く。

さらに奥に分け入って、
昨年お父さんが竹藪だったところを拓いて巣箱を置いた場所へ行ってみる。

まず飛び込んできたのは甘い香り、
赤や白の淡くも鮮やかな梅の花々。
そしてみつばちたちの可憐な羽音。

 
梅とみつばち

一面に香る鮮やかな梅の花

ここの群れたちは変わらず元気でいてくれた。
女王蜂が若い群れだからだろうか。
理由はいろいろあるのだろうけれど、
とにかくみんな元気で嬉しい。

 
日本みつばち

久しぶりだね

そして、昨年春には分からなかったこと。
梅の花がこの場所は大層きれいだってこと。
足元がふかふかで、耳をすますと生き物の声や動いている音があちこちからする。

耳をすますと生き物の音が聞こえてくる

ちょっと奥まっていて、
まるで秘密の花園、なんてワクワク。
いや、小さな頃にあちこちに作った秘密基地の方が気持ちとしては近いかな。

 

甘い香りとやわらかな花々が嬉しい

アカリンダニの急な広まりによって脅かされている日本みつばちとの暮らし。
もちろんアカリンダニだけが理由じゃないにしても、
みつばちたちが弱っているのを肌で感じて、率直に言うと結構驚いた。
秋に「また春に会えるね」としばし別れただけのはずが、
こんなにたくさんの群れのみつばちたちに会えなくなるなんて。
このちいさな生き物は今後どうなってしまうのだろう、そんな不安も感じるようになった。

そんなことを感じる、淡路島で初めて迎える春。
島は、少しづつみつばちたちが飛び交い始めています。

(ようこ)

蜂蜜って何?~日本の蜂蜜には規格がある②~

前回の続きで、日本のはちみつの規格について

“巣はちみつ”と”巣はちみつ入りはちみつ”

前回も登場した「はちみつ類の表示に関する公正競争規約」によると、

蜂蜜規格(©)

巣はちみつ
「新しく作られて幼虫のいない巣房にみつばちによって貯えられたはちみつで、巣全体又は一部を封入したまま販売されるもの」ということで。
「コムハニー」「巣蜜」という品名で売られているものがこれ。はちの巣の中にはちみつがきれいに入った状態のものを、丁寧に箱詰めしたものですね。

巣蜜

 

巣はちみつ入りはちみつ(←何度も言うと噛みそうになります)
「はちみつに巣はちみつを加えたもの」ということです。
「巣入りはちみつ」という品名で販売されていることが多く、その名の通り、はちみつビンの中にこの巣はちみつをカットしたものが入っています。
(写真はありません)

 

わたしたち草地家も、この「巣はちみつ」や「巣入りはちみつ」も一部販売できたらいいなと思っているので、保健所にどういう扱いになるのかを確認してみます。はちみつそのままなので、販売できると思っているんですが、どうなったかということはブログなどでご報告します。

あれ、名前が違うんですが。

「巣蜜」「コムハニー」「巣入りはちみつ」など、販売されているものは規約で定められている品名(「巣はちみつ」「巣はちみつ入りはちみつ」)と違っていることもあります。

その理由は、前回もお伝えしたように、この規約は「全国はちみつ公正取引協議会」という業界団体が自主的に設定した業界のルール(公正競争規約)であり、必ずしもその協議会に所属する必要はなく、従ったりする必要はないからです。

ちなみに岡山に本社がある有名な山田養蜂場はこの協議会にには属しておりません。理由はこんな感じです。
“あくまで「はちみつ」の品質を追求する私たちの厳格な品質基準と、広く一般的な意味ではちみつを定義する協議会の基準の間に相違があるためです。”(引用:山田養蜂場HP

なので、いろんな名称で販売されています。

では、ラベル表示にはどんなことが??

法律的な決まりはありませんが、公正競争規約に細かな表示方法が示されています。ただ、内容がちょっと細かいので、それをわかりやすくしたものが消費者庁のホームページにありますので、今回はそちらを参照。内容はほぼ同じ。

蜂蜜ラベル表示について

(引用:消費者庁HP

内容で気になるところに線を引いてみました。業界に属していない場合はどうしたらいいのかということ。

以前、うちの父親が保健所から指導を受けたときは、有無を言わさず、「この表示の通りにしなさい」「他の表記をしてはいけません」ということだったそうで、この通りにしないといけないんだと思います。(疑問視が残るところもありますが、そういうものなのだということで。)

ちなみに、また別の業界団体ですが、「一般社団法人日本養蜂協会」という組織があり、そこにも蜂蜜の規格があり、表示方法も決まっています。表示内容は上記のモノとほぼ同様の表示です。(もし、関心がありましたら、WEBサイトはこちら

(ただ、この「一般社団法人日本養蜂協会」の規約とこれまで出てきた公正競争規約(はちみつ類の表示に関する公正競争規約)では蜂蜜の規格の中で水分量が少し違います。なぜ違うのかはわかりませんが、どう違うのかはまた今度)

というか、なぜ同じような業界団体があって、なぜ規格が違うのか、全然わかりません!!!

ラベル表示からはわかることはこれだけ

蜂蜜ラベル表示について2

(ちなみに草地家のはちみつは図の左上のように書いてます。)

間違い探しみたいですが、わかることは名称が「はちみつ」なのか「加糖はちみつ」なのかということ。原材料が「はちみつ」だけなのかそれ以外のモノ入っているのかということ。
これ以上ことはわからないということです。なので、一応、原材料に「はちみつ」としか書いていない場合は、はちみつ以外のものは入っていないということです。

スーパーで売っているお安い蜂蜜も百貨店やはちみつ専門店で売っているちょっと高価な蜂蜜も、表示方法が違うにしても、内容はほぼすべてがこの通りです。
お店ではちみつのラベルを見てみてください。ほぼすべて同じです

そのため、何がよいとか、どう違うとか。ラベルを見ても全然わからないのです。
パッケージの情報を信じて、判断するくらいしか方法がありません。

ちなみに、「はちみつ」は「「はちみつ」には、精製はちみつ又はローヤルゼリー、花粉、香料、果汁若しくはビタミンを加えたものを含むものとする。」という記載もありました。
これについては、品名に「○○添加」と表記することだそうです。なので、何か含まれている場合は、しっかりと記載されているそうです

ということで、どうやって選べばいいの?

はちみつのラベル表示からは、
何を信じたらいいのかがわからないということがわかったと思います。
(ほかの食品と同様に表示のルールということです。)

正直、たくさんの種類がある中で、パッと見てどれがいいとかわかりません。
中国、カナダ、ハンガリー、アルゼンチン、ニュージーランドなど、いろんな国のはちみつがあります。どこの国ものを選ぶか、どの花のはちみつを選ぶかってほんと、好みかなって思います。

どれを選べばいいのかっていうので、一番いいのは、試食できるお店などで試食をして、自分に合うはちみつを購入すること。好みは、ひとそれぞれ好みが違いますからね。お店の人に教えてもらうっていうのも有効な手段。
あとは、やっぱり、信頼できる生産者や会社が販売しているものを直接購入すること。ほかの食べ物と同じですね。

スーパーや普通のお店では試食したり、話を聞いたりすることはできません。
なので、買ってみるしかなく、「当たり」や「はずれ」の可能性もあります。いろいろ試して購入していき、自分に合うものを探していくっていうのもいいかもしれません。なんとなく海外の蜂蜜は不安って思う人は、国産のはちみつを買ってみるのもよいとは思います。ただ、先ほどから書いているように、表示はすべて同じなので、パッケージからしか選ぶことができません。

ただ、やっぱり安すぎるはちみつはあまりおススメできません。
ツンとした匂いがしたり、味が美味しくなかったり。そんなこともあります。一口食べてみて、「このはちみつ、美味しい!!」って感じるのではなく、「はちみつってだいたいはこういう味だよね~」という感想で終わってしまうことも。はちみつを単なる甘味料として考えるのであれば、それでもいいかもしれませんが、それではもったいない。

あと、輸入物の安い蜂蜜は、蜂蜜100%でも、みつばちたちが集めてきた蜜が「はちみつ」になるまでの過程で、人工的なこと行われている可能性があるなど、いろいろと問題になっているようです。(それについてもまたいつかコラムで)

 

ということで、次回

この話をもう少し引っ張ります。

スーパーなどではちみつを見ていると「純粋」「Pure」っていう表記があると思いますが、それはなぜだろうか。あと、はちみつシロップのこととか。書いていこうかなと考え中。

ということで、今回は盛りだくさんでお届けしました。

ゆきお